速度や加速などの動力性能、低公害や省燃費などの環境性能。
しかし、こういった技術的な要素は
実はそんなに重要では無いように思えます。
技術でまかなえることは、本当に必要な技術であれば
おおよそ多くのメーカーが追従し一般化していきます。
例えばスーパースポーツはその動力性能だけを見れば
すでに日産GT-Rなど日本車でも実現できていますし
ハイブリッドなどの環境性能も、もはやトヨタだけのものでは
ありません。ようするに現在の自動車を取り巻く世界は
技術がアドバンテージにはなりえないのではないかと
考えるのです。
ハイブリッドで考えると未だにプリウスの一人勝ち状態。
プリウスが大ヒットした要素はその環境性能もさることながら
これを乗ることで環境貢献をしているというイメージが湧く
というファンタジーな部分が多い。
これは専用ボディーで差別化したおかげでファンタジー力が
ついたと考えるのです。その証拠にシビックのハイブリッドは
販売台数もパッとしません。ファンタジー不足です。
これからのクルマを考えると
このファンタジー性能は非常に重要であると思います。
「これに乗るとどうなるか」という提案をどこまで濃くできるか
がこれからのクルマにはもっと必要になってくると思います。
ミニバンですら「快適に人数が多く乗れる」程度の
提案ではダメでしょう。
ファンタジー性能で見るとロールスやベントレーはズバ抜けています。
ポルシェもフェラーリもランボルギーニも。
クルマを見るだけで「これに乗るとどうなるか」が解りやすい。
小型車でもヨーロッパ車はその辺が非常にわかりやすいモノが多い。
ミニでもフィアット500でもゴルフでもプジョーでも
それに乗る生活がどんなものかを想像しやすいし
現状よりも豊かになるような気がします。
ここに今年のパリショーで公開されたアウディA1があります。
写真はMSNから
これを見たとき、私はアウディのファンタジー性能が
かなり上がっていることを確信しました。
そして誰がこれを買うのか、どうやって乗るのか。
すべてはこのフロントマスクが物語っていると思うのです。
このちょっとやんちゃ坊主なフロントマスクは
かなり女性の支持を集めると思います。
ペット的な風防はファンタジーに満ちています。
これが発売される時、広告は女性向けファッション誌に
多数掲載されることでしょう。
広告もファンタジー性能の一環ですから。