というテーマで進めてきたこのシリーズですが
今回は番外編と言うことでSUVをテーマにお届けします。
メルセデスSクラスやアウディA8などの大型セダンをお乗りの方でも
レジャーでこれらを使うことはあまりないのでは?と思います。
レジャーなどの用途でメルセデスやアウディ、BMWなどでも
SUVは最近特に積極的に開発されてきました。
メルセデスGクラス、MLクラスやアウディQ7、BMW X5など
大型なモノが多かったこのマーケットもダウンサイジングが進み
都内で乗るにも苦にならないサイズで機能、性能も満足できるものが
数多く発表されています。
いわゆるミドルサイズプレミアムSUVというカテゴリのものです。
昨年後半から今年にかけてメルセデスGLK、アウディQ5などが
相次いで発表され、日本でもレクサスRX450hがモデルチェンジするなど
ハイブリッドブームの陰に隠れているとはいえ話題性は豊富と言えます。
この中で私が一番にお勧めしたいのはレクサスRX450h。
結論は簡単、ハイブリッドだから、です。
SUVというのは四輪駆動ありきというカテゴリで
そこには少なからずジープの呪縛が存在します。
このジープの呪縛はSUVのデザインや機構に
ある種の制約を与えてしまうのです。
この場合のジープとは現行のクライスラージープではなく
軍用のウィリスジープなどの事です。
強さや大きさと言った四輪駆動に求められる性能を
スタイルにも具現化しなくてはならないと言う呪縛です。
メルセデスのGLKはこの典型と言うスタイルです。
特に四輪駆動の信頼性を軍用レベルまで引き上げるために
そのシステムはマグナシュタイアと言う企業のモノを導入するほど。
信頼性はかなりのものですが、このおかげで日本向けの
右ハンドル仕様が生産できないという弊害も出ています。
その点、アウディやBMWはこの呪縛からの脱却を早い段階から
考えていたようで、アウディQ5などはA4アヴァントに寄ったデザインと
オンロード重視の駆動機構「クワトロ」を備えています。
そこでレクサスRX450hは、と言うと
機構の形式からして完全にジープの呪縛から脱却
と言うよりも最初からジープなど見ていないクルマと言えます。
先代のハリヤーの時から乗用車ベースのSUVであったのですが
モデルチェンジに際して最初からハイブリッドありきの設計で
機構そのものがジープと全く関係ない。
それは機械的な駆動接続をしない、電気モーターで動かす後輪です。
普段はFFで走行し、前輪の滑りを感知すると
専用の電気モーターで後輪を動かす。
この前輪と後輪の間には機械的な駆動接続が何一つない。
先代のRX450h(ハリヤー)やエスティマ、それに日産マーチでも
使っていた方式ですが、これはかなり洗練されています。
この四輪駆動システムがジープの呪縛から離れ
自由なスタイリングに結びついていると考えられます。
これはハイブリッドならではの恩恵とも言えます。
ハイブリッドシステム自体もプリウスとは考え方が違います。
信号からのスタートは電気モーターのみで発進。
40km/hくらいのところから勝手にエンジンが始動して
そこからはエンジンとモーターで加速。
このあたりまではプリウスと一緒ですが、レクサスRX450hは
ハイブリッドの電気モーターをターボ的にも使うことができる設計。
高速のETC通過後にフル加速すると、自主規制速度なんていうのは
本当にあっという間にクリアされてしまう加速。
燃費もこのクラスにしてはとてつもなくいいのです。
ディーラー試乗車を150kmほど都内と高速道路を
織り交ぜながら走らせて、2トン以上もある重いクルマが
リッターあたり10kmも走るのですから、驚きです。
この間、とくにエコランなどはしておらず、
なおかつ30分は渋滞の中。
ここはハイブリッドの面目躍如と言ったところ。
過去に、プリウスに乗るのは時代に負けた気がする
と書きましたが、同じハイブリッドでもレクサスRX450hは
そのシステムの使い方で重量級のSUVにパワーもエコも
まだまだ可能性があることを示しています。
ハイブリッドシステムは今後も色々なクルマに搭載されます。
燃費重視以外にも新しい考え方があればその可能性や
自由度はかなり広がるものであろうと考えます。
その実例としてのレクサスRX450hの面白さは
セカンドカーのみならずメインカーとしても
お勧めできるものだ、と考えるのです。