経済が傾いているアメリカですが
唯一まともだった航空機産業もかげりが出てきています。
それというのもボーイング社の最新鋭ジェット機
ボーイング787が大幅な納期遅れで大変なことになっているのです。
本来の納期はローンチカスタマーであった全日空が2007年。
各種装備や乗員訓練なども含めて
2008年の北京オリンピックに合わせて
受領第一号機を飛ばすはずだったのですが
いまだにボーイング社内で試験飛行すら出来ていない状態。
試験飛行のスケジュールが今の時点でも決まっていない
ということは試験飛行、型式認定などの流れを考えても
全日空の受領は2012年ということになりそうですから
予定が5年もずれています。
5年なんていったら、自動車ではモデルチェンジしちゃってますよ。
エアバスA380のですら2年の遅れで
貨物機が全キャンセルになるくらい
今の航空業界はシビアです。
すでに850機の受注を取り付けているとはいえ
5年も遅れたら、低燃費機を経営の柱にしようとしていた
エアラインの収益にもかなりの打撃を与えることになりますし
ほぼ同クラスのボーイング767の代替時期も到来しているため
繋ぎとはいえエアバスA330やA350に受注が流れてしまうことも
充分に考えられます。
ただ、中・大型旅客機は実際のところ
エアバス社とボーイング社しか製造していないので
地域としてマーケットに棲み分けが出来てしまっている
状態ではありますが、だからといって楽観は出来ません。
1機150億円の850機、この三分の一がエアバスに流れたとしたら
長期的に420兆円という金額がアメリカの経済見込みから
消えることになります。全数納入に10年かかるとしても
1年に42兆円が見込みから消えていくというのは
アメリカの経済を脅かしかねません。
しかし、次から次へとヤバイ話が飛び出しますねぇ、アメリカは。