ブログをお休み中には月刊痛車道の増刊号の編集やら
10月号のミクポルシェの取材、執筆、編集やら
コミケがあったりやらでかなり大忙し。
そして、怒涛の夏の締めくくりが
袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われた
「エコ耐久2010」でした。
主催はあの大井貴之さん率いるD-rights。
共催はいまやドラテク雑誌の筆頭のRev speed。
このレース、4時間という長丁場のなか
燃費と周回数を総合的に競い合うという
画期的な内容のレースで、周回数×0.4ポイントと
リッター当りの走行距離を合算した総合点で
順位を競うというもの。
燃費計算にしてもスタート前に場内のスタンドで
給油口ギリギリまで入れる超満タン状態で給油し
その後、給油口を封印。レース終了時に再度満タンにし
燃費を計るというもの。裏を返せばタンクがでかいクルマが
とりあえず有利になりそうです。
そして早く走ればいいというものではないというテーマのもと
ラップタイムで1分25秒を切ってしまうと
その周回はノーカウントになるという
面白い趣向になっていました。
僕が参加したチームは
筑波や富士のロードスターレースで痛車応援部の
オフィシャル痛車として参加してもらっている
野上達也選手のご実家、ロードスターのチューニングで名高い
ノガミプロジェクトのチームです。
これはロードスターレースに出場しているほうの車両です。
今回参戦する車両は
ノガミプロジェクトがロードスターチューニングの
ノウハウを結集して作り上げた2.5リッターのスペシャルコンプリート。
アテンザ用の2.5リッターエンジンに換装し
ピストンやヘッド周りに独自の改良を施し
全域でトルクアップすることで速さと乗りやすさを両立させた
というもの。
はっきり言って普通のロードスターとは別物です。
ちゃっかり痛車応援部のステッカーを貼ってもらっています。
スターティンググリッドの決定は申し込み順。
つまり申し込みの時点で競技が始まっているといえます。
ノガミプロジェクトは真っ先に申し込んだのでポールポジション、と。
スタート3分前のコールがかかるとチームスタッフは
コース上から退場しなくてはなりませんが
仕事熱心な大井さんはキャンギャルの撮影に夢中。
そして3分前のボードが提示されます。
そろそろ1分前のコールがかかるという頃に何故か猛ダッシュの大井さん。
1分前のボードを掲げたキャンギャルをまたも接近撮影。仕事熱心ですねぇ。
というわりとリラックスした雰囲気の中で切られたスタート。
ですが、初盤から熾烈なトップ争いが繰り広げられていきました。
かなり楽しい袖ヶ浦フォレストエコ耐久2010
フェアレディZはタンク容量80リッターを生かして
とりあえず距離を稼いでしまおうという作戦のようです。
耐久レースですからドライバー交代のピットストップも
重要な作戦になります。
ぶら下がるペットボトルに注目!
外気温が40℃にも達するかという暑さなので
運転中の水分補給も重要です。
背中をご覧ください。1時間の走行でこれだけの汗をかきます。
その後もレースは熾烈なトップ争いが繰り広げられていたのですが
このレースはドライバーの待ち時間もゆっくりと休ませてくれるわけではありません。
ダンロップスペシャルのCR-Zで燃費トライアル
というゲームに参加しなくてはいけません。
ここで最高燃費をとれば周回数が1周増えた
とカウントされるので参加ーチームは真剣にエコランを行います。
今回のノガミプロジェクトチームの記録は16.3km/L。トップは17.8km/L。
カタログ通りの数値を出すことはかなり難しいようです。
今回のエコ耐久は車種の規制が特になく、ガソリン車であれば何でもOK。
当然ハイブリッド車もプリウス、インサイト、CR-Zなどが出場。
クラス分けも排気量2リッターを境に上が1クラス、未満の2クラス、
それとハイブリッドの計3クラスが設定されていました。
ノガミプロジェクトはロードスターでも2.5リッターの換装してあるので
1クラスということになります。
他の参加者も特にエコランを意識しているのかどうかわからないほどの
ハイペースで周回を重ねます。
この、思いっきりカメラ目線なスイフトもかなりいいペースで走ります。
グラフィックはよく見るとアートファクトリー製です。
どうりでキマっていると思った。
2時間半を過ぎた辺りでトップ争いをしていたフェアレディZは
上がりすぎたガソリンタンクの内圧を抜くために
オフィシャル立会いで燃料封印を解くなどがあって脱落。
余裕でトップをキープかと思われましたが
ドライバーチェンジのタイミングで
ぐんぐん追い上げてきたのがこのBMW。
こちらが最後のドライバーチェンジをしている隙に
トップの座を奪われてしまう。
そのタイム差40秒ほど。残り時間は30分を切っている。
ここでガソリン残量に余裕があると見るや
野上達也の父はいきなりペースを上げていった。
燃費とタイムペナルティーのバランスを見てか
BMWは1分30秒程度で周回を重ねているが
野上パパは1分26秒台を追い上げる。
残り8分というところでタイム差0.5秒。
ココからが完全なドッグファイト!
野上パパが先行していると思いきや
次の周にはBMWが抜き返す。
そして次には野上パパがまたも抜き返す。
ラスト5分はこの繰り返しで場内はかなりヒートアップ。
これ、燃費も順位に関係しているんですよ!
そんなおかまい無しのバトルの末、16時にチェッカーフラッグ降ろされた。
しかし、ドラマはまさにこの瞬間に「始まった」のです。
最終コーナーを先にクリアした野上パパだがBMWとの接戦で
シフトアップのタイムロスを嫌いそのままアクセルを踏み続ける。
レブリミットに当り速度が伸びないロードスターを
最後の最後でBMWが差し切った。
コントロールラインの先に通過したのはBMW。
暫定優勝を逃したと、ノガミピットには落胆の空気が流れた・・・。
しかし、実況席で解説をしていた大井貴之さんの絶叫が場内を走る。
「禁断のスーパーラップ!24秒台!でたーーーーーーーーーーー!」
そう、BMWは最後のラップをノーカウントにしてしまった。
このときの野上パパのラップタイムは25秒台前半。
レブリミットが功を奏したのだった。
周回数156周で暫定優勝決定!
しかし、ココで終わらないのがエコ耐久の面白いところ。
場内のガソリンスタンドで再度満タンにして燃費を計測するのです。
周回数分の距離を入ったガソリン量で割るわけです。
それらの集計の間の待ち時間を利用してゲーム大会が行われたのですが
ゲームごとに一位をとると周回数を1周加算するという得点付。
これだけで大きく順位が変わる場合も出てきます。
タイヤ転がしにいたってはヒートアップしすぎで転倒者続出!
このゲーム大会も勝利者が均等にバラけたため大きな順位変動もなく
表彰式へと突入していきます。
ノガミプロジェクトが得た賞典は最多ラップ賞、1クラス優勝、そして総合優勝!
手伝いで参加させていただいたとはいえ
自分がいるチームが優勝する喜びというのはたまりません。
この模様は9月26日発売のREV SpeedとREV SpeedのDVDでも詳しく紹介されます。
このレースを通して実は衝撃の事実が浮き彫りになりました。
最高燃費賞はハイブリッド車ではなくNA型ロードスター!
このロードスターは1分35秒ペースでコンスタントに走っていたのに
12km/L以上をたたき出していたのです。
ほぼ同じペースのハイブリッド車は8km/L前後。
トップ争いをしていた2車、BMWは6.5km/Lで
ノガミプロジェクトは7.8km/h。
そう考えると、少なくともスポーツ走行でのハイブリッドは
全く意味を持たないのか?
多少の疑問を投げかけたということでも
このECO耐久の意味は大きいのではないかと思います。
それにしてもレースって本当に面白いですね!
実は、ゴール時にレブに当てて居たのはBMWの方です。
ロードスターは4速に入れていて、BMWに気が付いて、加速したけど遅かった・・・だけです
(笑)
まさか、あの周回タイムで、追い越しを掛けて来るとは思って居ませんでした f(^_^)