2010年12月19日

電気自動車のウソ

僕は、この仕事を始める以前は
電気工事の施工管理技術者だった上に
電気自動車の技術開発を行う会社に
出向で代表取締役をやっていました。

そんなわけで電気自動車について
一過言を持っているのですが
なかなかどうして、この話になると
出版各社やジャーナリストの皆様は
ぜんぜん相手にしてくれない。

まあ、電気自動車そのものではなく
充電インフラ、それも家庭での充電の
問題点の話ですから
メディア的には面白みに欠けるから
に他ならないのでしょう。

しかし、リーフが発表されたというタイミングの
ここに来てやっとジャーナリストの御大が
動いてくれました。国沢光宏さんです。

国沢さんがリーフを注文した際に
日産ディーラーのおすすめ電気工事が高い
と嘆いていらっしゃるので
うちで見積もりますよ、
と国沢さんのご実家のうなぎ屋さんで
うな重を食いながら話をさせていただくと
「よろしく頼むよ」とご快諾をいただきました。

しかしながら、電気自動車の場合
工事よりももっと大変なことが潜んでますよ
なんていう話をすると、
その場では半信半疑だったご様子。

国沢さんのお宅で分電盤やらワットメーターやら近所の電柱の
電柱番号やらを控え、電線を這わせるルートや
日産推奨の設備を付ける場所などを確認し
それらの資料を持って東京電力練馬営業センターへ。

解かっちゃいたんですが、一通りの深夜系配電プランを申し込むもすべて却下。
別棟にもう一本引かせろ、とも言ったんですが基準が約款に合わずに断念。
唯一使えるのが「お得ナイト8」という昼間がべらぼうに高い深夜電力プランです。

ここまでやって初めて電気自動車が通常の深夜電力を利用できない
という資料がもらえるわけで、なんとも回りくどいというかなんというか。

その資料にも電気自動車が深夜電力の対象外である、という表記ではなく、
リストにある特定器具以外は深夜電力を使用できません、という表記のもの。

しかし、この資料を全く無視した報道や告知が
電気自動車関連でまかり通っている
という事実は由々しき事態である!
今の料金体系では1km/1円で乗れるなんて言うのはウソ!

それこそ、ガスコンロや湯沸かし器まで電気にする
オール電化のリフォームを前提とした料金体系なら
この金額に近づくことは出来るが
それってなんか電力会社の営業戦略に
国を挙げて邁進しているような気がしてならない。
太陽電池発電電力の全数買取なんていいだした現政権も
支持母体のひとつに電力会社が大きな割合で入っているわけで
営業に協力するような方向になってしまうのは
仕方ないことなのか?

こういった問題をはっきりと認識して下さった
初めてのジャーナリストが
リーフをご自分で注文した国沢光宏さんとなったわけです。
国沢さん曰く
「自分で買って初めて認識できる問題は数多い」
電気自動車のことを書こうという方はこれくらいの気合は欲しいですよ。

国沢さんがご自身のサイトで木曜日(12月15日)あたりから
積極的にこの問題を提起して下さっています。

しかし家庭用充電に始まる電気自動車の充電インフラの問題は
深夜電力料金だけでは済みません。

法整備がきちんとなされないと
家で充電するのが馬鹿馬鹿しくなって
外で充電するのが主流になってしまう。
外での充電では基本的に充電設備を設置した企業などは
電気料金を徴収できないので無料かプラスα程度。
それを補うために税金から補助金を出し続けることになる。
つまり、電気自動車に乗っていない人が
電気自動車の電気代を払うという異常な状態が出来上がるわけです。

受益者負担の原則もあったものではない。
ウソをついていたとまでは言わないが
ごまかし続けてさも準備が整っているかのように
告知を繰り返す電力会社や政府のせいで
このままでは電気自動車はしぼみます。

国土交通省とメーカーはせっかくいいクルマを作っているのです。
経済産業省と電力会社が利権のために法整備をしないということが
この先の電気自動車の問題を大きくしていきます。

自動車ジャーナリズムに携わる方で電気自動車やエコロジーを語ろうという方は
本当に真剣に「電気」のことを勉強していただきたいと思います。

リーフのモーターをいまだにマブチモーターと同じ
直流直巻きモーターだと思っている
ジャーナリスト先生もいらっしゃるわけですし。

幸い、国沢さんのような自動車で権威のある方が
この問題追求に参加していただけるというのは
非常に心強いと考えます。

posted by 北森 at 14:52| Comment(4) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ひょんなことからこのエントリーを目にいたしました。
リーフなどEVで安価な深夜電力を使えないとのこと、
真実とすればメディアとメーカーが揃って事実確認も
せずに記事を書いてメーカーのお先棒を担いでいた
ということになり、看過できない問題と思います。

もう少し詳しく教えていただけませんか?

普通の一般家庭の料金契約だと一体いくらになるのか、
非オール電化の家庭が大幅なリフォームなしに
EVを買って安価な深夜電力を利用することはできないのか、
あるとするならその方法は、などについてです。
Posted by 深夜電力問題に興味あり at 2011年01月16日 20:01
メーカーは最初から『深夜の電力が安くなるプラン』と言っていましたが。

国沢氏を含め、あなた方が知らなかっただけではないのですか。

ちゃんと各社のサイトの隅から隅まで読まれましたか?

>自分で買って初めて認識できる問題は数多い

綿密な下調べもなく早とちりをして被害者ぶる人こそ、ジャーナリズムと言うものを勉強したら同でしょうか?
Posted by ちば at 2011年01月30日 23:48
貴重なご意見ありがとうございます。
電気料金についてはプラン別で
比較計算をしたものを近日中にアップいたします。

早とちりや下調べの問題は、
おっしゃるとおりだと思います。
自動車メーカーに
電気料金のアナウンスに対する非は
まったくありません。
電力会社の見解をよく調べもせず
鵜呑みに報道してしまい
いざ電気自動車が身近になって
初めてあわててしまう
私のような末端のジャーナリストの責任は
非常に重大です。
被害者意識に立たず公平な見地から
もっと突っ込んで調べていこうと
ご意見をいただいて改めて猛省いたしました。
この猛省に値するご指摘を
いただきましたことを本当に感謝いたします。
ありがとうございました。

Posted by 北森涼介 at 2011年01月31日 20:25
うーん、上の記事とコメントの返信と書いてることがまったく逆の気がするのは私だけ?

電気自動車のウソというタイトルそのものが、自動車メーカーがあたかもウソをついているような言い方だし、そう心から思っていないなら書かない方がいい。コメントにあっさりと猛省するなら、それでジャーナリスト顔するのはどうかと思いますが。

私は、北森さんのような今までの自動車評論家とちがう視点や立場の方はずばっといい切って欲しいと思いますが。
Posted by ジョニー at 2011年02月02日 00:04
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